2021/11/29
2023/04/19
小さい頃から大人になるまで、ずっと、母親や父親が過度に干渉してくる生活が続くと、
怒りがこみ上げてきますよね。
そう思うと、人生に絶望感を抱いてしまいますよね。
羨ましさに襲われて「なんで私だけ!」と、またさらに怒りが爆発してしまいそうですよね。
どうしたら、親という存在に苦しまずに生きていけるのだろうかと、悩んでしまいますよね。
そんな方に向けて、過干渉な親への対処方法・付き合い方を、下記の5つのステップで、心理カウンセラー・岩田昌樹がお届けしたいと思います。参考にしてみてくださいね。
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「 過干渉な親への対処方法・付き合い方:5つのステップ」をご説明する前に、お伺いしておきたいことがあります。親に対して感じている怒りや絶望感を、母親や父親に出せていたでしょうか?
もしかすると、直接伝えたことはあるけれど、親がまったく受け入れてくれなかった…。 それどころか、もっと否定されたり、もっとヒステリックに怒られてしまった。だから、
次第に、怒る気力もなくなって、 黙り込むようになってしまった…。そんな経験はなかったでしょうか?
もし、母親や父親への怒りで心があふれかえっていたり、親と関係がない出来事でも、なぜか怒りの感情が抑えられなくなっているのであれば、怒りを外に吐き出すことも、同時並行で進めていく方がいいかもしれません。
考えを整理して吐き出すのではなく、わき出てきた感情を、そのまま放出する。
と、ずっと同じ言葉を書きなぐり続けるだけでもいい。
怒りが、枯れ果てて、枯渇するまで、吐き出してみてくださいね。
怒りをため込んでしまうと、どんどん増幅していくものです。その結果、抱え込みすぎてしまうと、目の前に広がる世界が、
に見えてきてしまうかもしれませんよ。
母親や父親が、「アレをしなさい!」「こうしなさい!」と、過度に干渉してくる。ひどいケースだと、1人暮らしをして、物理的に距離を置いたにもかかわらず、それでも過干渉を繰り返してくる親もいますよね。
いつまで経っても、「ひとりの大人」として扱ってくれない…。親にとって、私のことは
だと思っているから、いつまで経っても干渉してくる。わたしは「親の一部」。親子の心の距離感が、とても近いんでしょうね。
母と子は、生まれてきたときは、ほぼ「一心同体」。でも、それが「イヤイヤ期」「社会との関わり」「反抗期」などを経て、子どもが成長するにしたがって、
ですよね。イメージ図をつくってみましたので、ご覧ください。
様々な過程を経て、母(父)から自立して、「理想の私」への向かっていくものです。でも、過干渉でコントロールされてしまうと、自立ができなくなってしまうことが多いですよね。下図のようなイメージです。
ずっと、母親(父親)の側にいるイメージ。干渉・支配されていると、離れようと思っても離れられないですよね。例えがよくないかもしれませんが、過干渉な親のイメージは、
子どもを求める強力な引力で、吸い寄せられていくんです。
一方で、子どもの方も、心のどこかで、母親(父親)の愛情を求めている。期待しちゃいけないと思いながらも、心のどこかで変わってくれることを望んでいると思うんです。過干渉な親だったとしても、
です。それは仕方がないことですよね。
厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、そういう意味では、子どもの方も「小さなブラックボール」になってしまっているのかもしれません。お互いに強力な引力で求めあっているんです。お互いに「引力がある」「求めあう」とは、具体的にどういうイメージなのでしょうか?
心の距離が近くて、一心同体的感覚なので、
したくなります。自分の手足に近い感覚を持っていると、自由に動かしたくなるものです。
母親(父親)が、子どもをコントロールする。そうすると、子どもはコントロールを失ってしまう。でも、それだと、生きている感覚がない。だから、子どもの方もコントロールをしたくなってくるんです。
耳が痛いお話になってしまうかもしれませんが、そうやって、コントロールされた被害者が、知らず知らずのうちに、
していってしまうことも多いんです。
じゃあ、どうすればいいのか。
コントロール欲求は、簡単には手放せないですよね。誰だって、自分の人生の操縦桿を握っていないと
ものです。自分の人生を輝かせていくためには、コントロール欲求は必要なもの。だから、コントロールする対象を変えていく必要があるんです。
『母親(父親)や目の前の世界をコントロールすることで、自分を変えていく』のではなく、
ことが大切なんです。「もらう」ことで、自分の人生を変えていくのではなく、自分で「つくる」ことで、自分の人生を変えていくんです。
では、「自分をコントロールする」とは、どういうことなのでしょうか。私は、「習慣・ルーティン」をつくることをオススメしています。
ことを決めるということです。考え方や感情ではなく、「体」をコントロールしていく。ポイントは、やる気ではなく、
にすることです。
何時になったら、寝る。起きる。
何時になったら、散歩に出かける。
何時になったら、コーヒーを入れて飲む。
「やりすぎない」ということも大切なポイントです。やりすぎると、次第に「やる気」がスイッチになってしまいますからね。決めた分数・決めた量だけを毎日する。思考や感情を持ち込まないようにしましょう。
干渉・コントロールは、「振り回される」ことですよね。そうではなくて、「振り回されない」人生にしていくためには、
ことが大切です。リズムとは、自分のルーティンを優先することだと思いますよ。
干渉・コントロールされると、わたしの自信が奪われていきますよね。
振りまわされて、自分が自分でなくなっていきますし、イライラしてきます。生きている意味を見失います。
一方で、習慣・ルーティンは、わたしの人生をコントロールできているという
自分は自分でいいと思えてきます。自分のリズムが守れるので、イライラが減っていきます。自分の意思を尊重できるようになると思いますよ。
自分の生活を整えられるようになると、「人に求める」引力も減っていき、ブラックホールではなく、普通の天体に変化していくのではないでしょうか。
干渉・コントロールの世界で生きていると、目線は、
どうしても、人の目が気になってしまうものです。自分の意思とは関係なく、振りまわされてしまうので、仕方がないですよね。
外にある膨大の情報の渦にのみこまれて、「手」「足」「頭」が、別々の方向に持っていかれてしまう。訳が分からなくなってしまい、
と、頭がこんがらかってしまう。自分の足で立っているという感覚が、持てなくなりますよね。
かといって、目線を「内」「自分」に向けようと思っても、どうすればいいのかわからない…。
小さい頃から、当たり前だと思ってやってきたことです。いつのまにか、無意識に「外」を気にしてしまう。いつも心がザワザワ、落ち着かなくなってしまうものです。
母親(父親)に振り回されて、心が忙しいと、
自分のことを構ってあげる余裕なんてないですよね。
そうなんです。自分を構ってあげるためには、まずは「余裕」が必要なんです。では、心に余裕を持たせてあげるためにはどうすればいいのでしょうか。
心のほとんどは「無意識」ですよね。
無意識だから、直接コントロールすることはできない。
コントロールはできないけれど、「無意識」にアプローチしていくためには、間接的に「意識」を動かしていくしかないんです。意識と言っても、心ではありません。
です。心と体は連動していますから、間接的にアプローチがしやすいんです。よく「心」の状態は、➡「体」に表れますよね。
連動しているということは、
にも伝わっていきやすいということです。
つまり、体の動きを「ゆっくり」にすると、心に「余裕」が生まれてきやすいんです。イメージとしては、普段の「80%」ぐらいのスピードで動くことを意識してみましょう。
最初は、1日10分でもいいんです。まずは、普段の何気ない日常から始めて、少しずつ範囲を広げていきましょう。
そして、動きをゆっくりにすると、さらに良いことも。
んです。自分の1つ1つの動きに、意識が注入されていく感じ。意識して、ゆっくり動かすことで、「外」「周り」ではなく、「内」「自分」へと、意識の方向がすこしずつ変わっていくと思いますよ。
ゆっくりと動くことは、『自分との対話』にもなります。
自分の感情とつながることができます。
自分を知ることができます。
自分を客観的に見ることができます。
「心の余裕」を持ち、「自分との対話」ができるようになると、
はずですよ。
心の余裕がすこしできるようになったら、その空いたスペースに、次の言葉を囁きかけてみてほしいんです。
母親(父親)に対して、怒りや絶望感を覚えていたとしても、親を完全に拒否することは、なかなかできないよね。それは心のどこかで、親に対して罪悪感を抱いている場合が多いからです。
子どもにとって、親は唯一無二の存在です。だから、理不尽なことをされたとしても、「親」ではなく「自分」を責めてしまうんですよね。
そう考えて、わたしを「罰して」「耐えて」「犠牲に」ならないと、母親(父親)は喜んでくれない・幸せにならないと思ってしまうんです。
健気ですよね。でも…大人になった「わたし」から見たら、それは、おかしな話ですよね?
犠牲をしてしまうと、知らず知らずのうちに「見返りを求めてしまう」ものです。だから、犠牲をした先に待っているのは、お互いに
いつまでも、 お互いにコントロールし合う関係が続いていってしまうと思いますよ。
「罪悪感」を抱いてしまうのは、お母さんやお父さんのことが大好きで、とても愛しているからですよね。関係が薄い人に対して「罪悪感」を抱くことができる人は、ほとんどいないと思いますよ。だから、あなたは
なんです。「罪悪感を抱いてしまったな~」と思ったら、
とニヤニヤしておくのが正解なんですよ。そうやって、罪悪感を抱いていることを、まず認める。そして、わたしをホメる方向に変換させていきましょう!「自分を優先する」って、そういうことですから。
子ども時代は、家族みんなで同じ家に住んでいましたよね。大人になったら、どうでしょうか。ひとり暮らしや結婚して家を出ることが多いですよね。
そのとき、物理的な距離だけでなく、心理的な距離も、ひとり暮らしや結婚して家を出るぐらいの距離にする必要がありますよね。
心理的な距離を考える上で、今、あなたの心の中に、
もし、自分の家があったとしても、母親(父親)が玄関の鍵を勝手に開けて、土足で上がり込み、スナック菓子を片手にテレビを見たり、インテリアを勝手に変えてしまう。そんな事態に陥っていないでしょうか。
親に干渉されるって、そんなイメージですよね。
もうわたしの家なんですから。わたしの好きなようにインテリアを飾りたいし、誰の目も気にせず、お気に入りのパジャマでリラックスしたいですよね。
わたしの家に、母親(父親)が勝手に入り込んでこないようにしなきゃいけませんよね。 母親(父親)は、もう同居している家族じゃないんです。だから、お母さんは
ぐらいの存在だとイメージしてみましょう。
いくらなんでも、近所のおばちゃんが、勝手に家に入ってきたら…、怒りますよね。それぐらいの心の距離感を、母親(父親)に持ってみましょう。
もう子どもじゃないんです。独立した家を持つ「ひとりの大人」なんだと、心に刻み込みましょう。
ステップ4まで来たら、 母親(父親)との心の距離感を、ある程度「つくれた」のではないでしょうか?
でも、 母親(父親)は、強力な引力を持つブラックホールであることに、変わりがありません。あなたの罪悪感を巧みに刺激しながら、なかば強引に近づいてくることでしょう。
だから、 母親(父親)のブラックホールに負けないぐらい、強力な引力を持つ存在が必要なんです。それが、
のような存在です。
「地球」にあるのは、引力だけではありません。「明るい希望・未来」という惹きつける魅力があります。
あなたの大切なエネルギーを「わたしがなりたい将来像」へと向かうエネルギーに変換していかなければいけません。今目の前にある短期的な目標ではなく、
ことが大切です。
これからも、母親(父親)の干渉に苦しんだり、罪悪感に襲われたり、自己否定してしまうこともあるでしょう。
そんな風に、振り回されてしまったときに、「わたしがなりたい将来像」があると、軌道修正していくことができます。「地球」への道のりが間違っていないかを、何度も確認することができます。
わたし自身が「つくった」目標に、引き寄せられていく力を実感して、初めて、
と確信できるはずです。
「もらう」ことで、自分の人生を変えていくのではなく、わたしがなりたい将来像を「つくる」ことで、自分の人生を変えていくんです。
わたしの人生の操縦桿を、手にしましょう!あなたには、力強く人生を引っぱっていくエネルギーがあるはずですよ。
大気に守られた「安心」で「美しく」「明るい」未来に包まれた「地球」から見た世界は、どのように見えるでしょうか?
圧迫感があって、巨大に見えたブラックホールは、宇宙の彼方。もしかしたら、目でとらえることも難しくなっているかもしれません。
今は、小さく感じるブラックホールの表情は、すこし弱々しく、寂しく、悲しそうに見えるかもしれません。
ブラックホールは、太陽(恒星)の最後の姿と言われていますよね。
太陽のように、周りを明るく照らし、「輝き」と「希望」と「生命エネルギー」を与えてくれていた、
に想いを馳せる「余裕」が生まれているかもしれません。
お母さん(お父さん)も、かつては輝いていた。だけど、もしかしたら、 お祖母ちゃん(お祖父ちゃん)の過干渉が原因で、小さなブラックホールが大きくなってしまったのかも…。 お母さん(お父さん)も、親から引き継いでしまっただけの被害者なのかもしれないと…。
って、心の距離が近すぎると伝えづらいものです。
それは、あなただけではありません。お母さん(お父さん)だって同じですよね。
だから、適切な心の距離を取ってあげることは、
なんです。キレイなラッピングをほどこしたプレゼントの中身は、「優しさ」「思いやり」「ありがとう」。
お母さん、きっと、きっと、喜んでくれるはずですよ。