上司や他部署の方から、よく仕事を頼まれます。6人いるチームの中でも一番仕事量が多く、忙しいです。自分だけ残業も多いです。
私が忙しいことは、わかってくれているはずです。なのに、チームの中で2番目にキャリアが長いせいか、仕事を次々とおりてきます。
時々、「なぜ自分だけ、こんなに忙しいのだろう。」「今、忙しいのはわかるでしょう!手伝ってほしい!」と叫びたくなってしまう時があるんです。
こんなに忙しいのに、仕事を評価してくれているように感じません。仕事に対する熱量の差があるせいか、みんなとの距離があるのを感じます。
「なぜ自分だけ忙しいの!」と苦しい思いを抱きたくはありません。適正な評価をしてほしいです。どのように考えて、これから仕事に取り組んだらいいのか悩んでいます。
〇〇さんは、そうお願いされることも多いのではないでしょうか。そんな風にお願いされると、どんなに忙しくても、なかなか断りにくいですよね。
〇〇さんは、仕事に対して、誠実に、真面目に、一生懸命に、取り組まれているのだと思います。
とても優しくて、良い方なんだろうなと想像します。がんばっている姿が、目に浮かんできますよ。
かつての私も、「なぜ自分だけ、こんなに忙しいの?」「手伝ってほしい!」と叫び出しそうになったことが、多々ありました。
〇〇さんほど、頼られてはいませんでしたが…(笑)
ただ、会社員を12年経験したあと、起業して、23名の社員と一緒に働くようになってから、仕事に対する考え方が変わったように思います。
「現場で仕事をする人の目線」と「マネジメントする人の目線」に、大きな違いがあることを知ったからです。
仕事で認められるためには、
が大事だということを実感したのです。
「かつての私に伝えたいこと。」
そんなイメージで、話をすすめさせていただければと思います。
〇〇さんの参考になれば、とても嬉しいです。
私は、「仕事ができる人と思われたい」と強く思っていました。
もちろん、今でもそう思っています。
認められたい。みんなの役に立ちたい。そのために、一生懸命、必死に働いていました。
では、「仕事ができる人」とはどんな人なのでしょうか。
かつての私は、「早く」「多く」「クオリティ高く」こなすことが大事だと思っていました。もう少し具体的に言うと、
それが、仕事ができる人のイメージだったように思います。
【3つのパターン】を、それぞれ見てみることにしましょう。
「忙しい人=できる人」とイメージしていると、どんな思考回路になるでしょうか。
周囲とよい関係を保ちたいのに、仕事に追われて、いつのまにかイライラしてしまっている。
そんな自分自身に嫌気がさして、さらにイライラしてしまうという悪循環の連鎖でした。
みんなに認めてもらいたいから、がんばっているだけ。だから、来るもの拒まずに、仕事を受けている。
そこには、自分の意思も決断もない。自分のためでもない。がんばっただけの見返りも充分には感じない。
みんなのために頑張っているのに…と、自分勝手な、「仕事をやらされている」という被害者意識を持ってしまうようになっていました。
やらされている感があったり、うまくいかなくなると、どうしても人のせいにしてしまいがちですよね。
そんな気持ちにとらわれてしまえばしまうほど、「みんなはラクをしている」と思ってしまう。
心のどこかで、人を責めてしまっていました。
「自分にしかできない仕事」
その言葉は、圧倒的な優越感を感じさせてくれる言葉。
会社に、「自分は必要不可欠な存在だ」と思われたい。
だから、
ずっと、そう思っていました。
みんなで協力して仕事がしたいと、思ってはいたんですよ。
でも、「自分にしかできない仕事」という言葉の魅力に、憑りつかれてしまっている自分もいました。
自分の存在感を高める唯一の方法だと信じきっていました。
でも、それは幻想だったように思います。
「みんなが、私のことを称賛してくれる。」
そんな未来を期待していました。
夢見ていましたよ。かつての私は。
でも実際は…。みなさんのご想像のとおりです。
全員の期待に応えようとがんばると、パンクしてしまう。
それは、そうです。でも、できると信ている私もいたから…バカですよね。
パンクして、イライラして、結局、誰の期待にも応えられなくなってしまう。
映画の主人公になった気分でいた自分が、情けないですよね。
一生懸命がんばれば、がんばるほど、仕事を「こなす」ようになっていきました。
次から次へと、タスクを、左から右へと。
今日するべきタスクの一覧を、一行ずつ、二重線で消していくことに、快感を覚える。
手を動かしつづけて、仕事やってる感に浸っていました。
手が止まってしまうと、無力感に襲われてしまう。だから、「もっと、もっと、仕事がほしい!」と訴えつづける。
それは、それで、充実しているように感じました。
でも、会社や周囲の人たちにとって、私は「都合のよい人」でしかなかったのかもしれません。
今では、そう思います。
もし、『かつての私』が突然退社しても、『今の私』は「便利だったけど、しょうがないか…」と思ってしまいそうだから。
去ってしまうと、当分は大変だし、寂しいけれど…「残ったメンバーでがんばろう!」という感じ。
マネジメントをするようになってわかったこと。
退社してしまって、『今の私』が本当に困ってしまうのは、『かつての私』のような人ではなかった。
別の人でした。
別の人とは、「影響力のある人」でした。
影響力のある人というと、
を思い浮かべるかもしれませんね。でも、違うんです。
『自分』の仕事力をUPさせる人ではない。
『みんな』の仕事力をUPさせる人。
それが、影響力のある人。
もっと具体的に言うと、
かつての私が信じていた
「仕事ができる人」
とは、真逆でした。
「影響力のある人」の【3つのパターン】を、それぞれ見てみることにしましょう。
「考える」時間をつくる人は、
すぐに手をつけない人。
有名な木こりの話がありますよね。
通りがかった人がその様子を眺めていましたが、斧を振るう勢いのわりに、なかなか木が切れていない様子。
見ると、斧が刃こぼれしているよう。通りがかりの人は言いました。
「斧を研いだほうがいいのではないでしょうか?」
すると、木こりは言いました。
「わかってるんだけど…木を切るのが忙しくて、それどころじゃないんだよ。忙しすぎるのは、見てればわかるでしょ?」
「斧を研ぐ」 = 「改善・効率化・情報収集」
早く仕事を終わらせようと、焦りすぎないこと。まずは、
を考えること。
冷静な判断をするために、
仕事を、
ぐらいの覚悟を持つこと。
「手を動かすことに、忙しい人」には、「斧を研いでいる人」は、仕事をしていないように見えますよね。
斧を研いでいる間は、木が切れないですからね。
だから、今まで「手を動かしつづけた人」にとっては、「仕事をしない時間をつくる」ぐらいの気持ちが必要なのかもしれませんね。
認められたいと思っていた『かつての私』は、仕事を抱えこんで、
という状況を作りだして、自己満足感を得ようとしていました。
影響力のある人は、真逆の発想です。
会社にとって大切なのは、
直近の不安定な「売上」よりも、
【 資産 】
ではないでしょうか?
資産は、
・他社との差別化
・効率化
・新しいアイデアの源泉
を生み出す土台になります。
あなたから、「仕事を引き継いだ人」も、
その「次に引き継いだ人」も、
また「その次に引き継いだ人」も、
簡単に、ミスなく、クオリティの高いものができるようになる。
それが、影響力。
そんな影響力があると、会社や上司、同僚にとって、「あなた」は
『かつての私』には、その発想が欠落していました。
斧を研ぐために、「木を切らない」時間をつくる。つまり、「やらない仕事」をつくることが大切ですよね。
自分で仕事を選別して、自分で決断した仕事をする。
自分で決めたことであれば、自分は納得できるものです。少なくとも、人のせいにすることはなくなるはずですよね。
人から与えられた仕事ではないのだから。
すこしずつ、「なぜ自分だけ忙しいのだろう…」と思わなくなってくるのではないでしょうか。
精神的に疲れてしまうと、家に帰ってベッドに入っても、なかなか眠れなくなってしまいますよね。
言わずもがなですが、十分な睡眠がとれていないと、イライラの原因に。質の良い睡眠を取るには、すこしずつ緊張感を取り除いていく必要がありますよね。
〇〇さんがコツコツと地道な努力をしている姿は、上司も同僚のみなさんも、ちゃんと見ているはずですよ。
そう、心の中で思っているはずです。
仕事が集まってくるのは、「〇〇さんなら、安心して任せられる」と評価されているからに違いありません。
信頼されている〇〇さんが、
手を動かし続けるのではなく、すこし手を止めて、目線を上に上げる。
視野を広げるステージに、〇〇さんは到達したのかもしれませんね。
これまで築き上げてきた経験と信頼をバネに、大きくステップアップされることを期待しています。
〇〇さんなら、きっと大丈夫ですよ!
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